フォントとは?
フォントの定義
フォント(font)は、本来「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」を指す言葉だが、
現在ではコンピュータ画面に表示したり、紙面に印刷(書籍など)したりするために利用できるよう
にした書体データを意味している。金属活字の時代から書体の世界に関わっている者からは、
データとしてのフォントはデジタルフォント(digital font)として区別して呼ばれることもある。
フォントの分類
◎ビットマップフォント
ドットの組み合わせで文字を表現したフォントで、コンピュータの初期には、容量の節減および
描画速度の確保のためビットマップフォントを利用した。 現在でも、スケーラブルフォントからビット
マップフォントを生成するとき、文字が小さいと線間の調整が出来ずに潰れて読めなくなってしまう
ことが多いため に、小さな文字ではビットマップフォントが使われる。
8ドットサイズの英字、カタカナ文字が利用できるフォント。400ラインのディスプレイの普及や、
漢字が扱えるようになり、16ドットサイズのフォントがコンピュータに搭載されるようになった。印刷
では、ワープロ(専用機)を中心に一部で24ドット、48ドットなどのフォントも利用されはじめ、データ
サイズの増大からスケーラブルフォントへ移行していった。
◎スケーラブルフォン
線の位置や形、長さなどで文字の形を作るため、拡大縮小しても、ビットマップフォントのように
字形に影響がない。そのためスケーラブル、拡縮自由などと冠される。拡縮自由なフォントとしては、
ストロークフォントやアウトラインフォントがある。
◎ストロークフォント
文字の形状を、中心線だけの情報で保持するフォント形式。線の太さなどは扱わないためデータ
量は軽く、かつ出力デバイスの解像度に依存しない。CADシステムやプロッタなどで使用される。
なお、「ストロークフォント」という言葉は、文字をストロークごとに分解して管理する作成・生成・管理
システム(それをフォントプログラムとして実装した例としてはダイナコムのストロークベーステクノロジ
など)や、派生した形式(ひとつの骨格からファミリーを生成する技術など)を指すこともある。
アルファブレンドの三次ベジェ曲線で構成され筆順をもつストロークフォントはASPで利用可能である。
◎アウトラインフォント
文字の輪郭線の形状を、関数曲線の情報として持つフォント形式。実際に画面や紙に出力する際
には、解像度に合わせてビットマップ状に塗りつぶすラスタライズが必要になる。
日本ではワープロやDTPを中心にアウトラインフォントの利用が普及し、WYSIWYGが普及したために、
コンピュータ画面でもスケーラブルラインフォントの利用が広がった。(当初のDTPは、プリントアウトには
アウトラインフォントを使い、画面表示にはビットマップフォントを使用するワークフローが基本だった)